【概略】
いろいろな診療科の医師と精神科の医師が協力して行う医療。病人の不安や苦悩を除くのが目的。
精神医学の役割の中で他の診療科と関わる領域であり、包括的医療を推進する立場から主に身体疾患と精神疾患を併発した患者について治療とケアを行う。
精神科医が特定の疾患やとりわけ、ストレスの強い診療場面におかれる患者に関わる構造を作り、心理的・行動的問題の予防、早期発見と対応などを試みる。
【精神障害または病態】
・身体疾患やその治療がストレス因子の1つになって発病した、うつ病性障害、適応障害など
・身体疾患やその治療が中枢神経機能を障害して生じた器質性・薬害性精神疾患
・もともと精神疾患に罹患していた患者が身体疾患を併発した場合
・身体症状を訴えるが、それを説明し得る身体疾患が発見されない場合
・身体疾患の発病や経過に心理的・行動的因子が大きな影響を与えていると推定される場合、すなわち心身症の患者
【身体疾患患者の心理的ケア】
・身体疾患の診断と治療
・症状の緩和と丁寧な身体的ケア
・適切な情報提供
・身体疾患による喪失を最小にするための工夫
・ソーシャルサポートの適切な利用
・精神療法
・向精神薬療法
【身体疾患患者で特に問題になる向精神薬の副作用】
・認知機能の低下
・心、循環器系への悪影響
・呼吸抑制
・筋の脱力
(ベンゾジアゼピン系の抗不安薬と睡眠薬もしばしば処方されるが、特に多量に処方して、認知機能の低下、呼吸抑制、筋の脱力など生じる)