内臓疾患を除外

内臓疾患が腰痛の原因になりうる。

 

急におこる腰痛の中には、腹部大動脈瘤の破裂、腎・尿管結石、胆石、胃・十二指腸潰瘍の穿孔、急性膵炎などがあります。高血圧、消化器症状、長期にわたって薬剤を使用などがあり、同様な疾患の既往があるか注意し、痛みは自発痛・安静時痛であり、きりさかれるような、疼くような鋭い痛みです。

 

腹部大動脈瘤は、ほとんど自覚症状がないため、知らない間に膨らんでいることがあります。腹部大動脈瘤は、腹部の拍動感に気づいたり、拍動性腫瘤を感じられることもありますが、動脈瘤が小さかったり、肥満でおなかに脂肪がたまっていたりする場合は分からないこともあり、腹部の超音波検査やCT検査で初めて発見されることも少なくありません。

動脈瘤は体の深部や主に腰に鈍痛を感じることがあります。腹部大動脈瘤が破裂した場合は、激しい腹痛や腰痛が起こります。破裂により急激な血圧低下、出血多量で急速にショック状態に陥り、死に至ることもあるので注意が必要です。

 

尿路結石では腰痛とともに陰部に放散する痛みや血尿を伴います。

腎盂腎炎のような尿路感染症では、全身倦怠感や発熱、頻尿などもあります。

消化器疾患では、胸やけ、心窩部痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢などを伴い、潰瘍では下血、その穿孔ではショック症状も出現します。

 

このような症状があれば、痛みの原因は内臓疾患の可能性が高いと思われます。

 

 

【各疾患のリスク因子】

腹部大動脈瘤

高血圧・60歳以上・男性・家族歴・アテローム性動脈硬化症の既往歴・喫煙者又は喫煙歴

 

腎・尿管結石

副甲状腺機能亢進症・脱水・動物性タンパク質またはビタミンCの摂取量が多い・水分やカルシウムの摂取が不十分・家族歴

 

胃・十二指腸潰瘍

飲酒・喫煙・塩分・熱いもの・ストレス・カフェイン・消炎鎮痛薬・ステロイド

 

腎盂腎炎

女性・大腸菌・腎結石・糖尿病

前立腺の腫大などの物理的な閉塞

妊娠中の子宮によって尿管が圧迫、拡張したり、尿を膀胱へ押し流す尿管の筋肉の収縮力が低下

 

 

参考文献 腰痛テキスト-正しい腰痛と予防のために- 南江堂 川端正也著