「寝具や寝方が悪いのではないか」
と考える方も多いのですが、実際には、それらが主な原因であることは多くありません(ほとんどないと考えています)。
臥床、すなわち寝ている姿勢は、本来、脊柱を支えるための筋活動が少なくて済み、身体への外的負荷が比較的少ない姿勢だからです。
臥床(寝ている状態)での負荷
臥床時の負荷は、大きく外的負荷と内的負荷に分けて考えることができます。
1.外的負荷(身体の外から加わる力)
ゼロではないものの、臥床では立位・座位と比較して総量は小さい。
重力による負荷
・体重が支持面(マットレスなど)に預けられる
・抗重力筋の活動は最小限で済む
圧縮負荷
・椎間板への圧縮
・椎間関節への荷重
・下側の肩・骨盤などへの局所圧
側臥位ではやや偏りは生じますが、立位に比べれば圧縮総量は小さい姿勢。
接触圧(体圧)
ベッドなどの寝具から身体の表面に加わる圧力のこと
・後頭部・肩甲部・仙骨部(仰臥位)
・肩・肋骨外側・大転子部(側臥位)
支持面からの反力
・マットレスや床からの押し返す力
・接触圧による局所ストレス
寝具の硬さによって変化しますが、基本的には分散されやすい姿勢。
せん断力・側屈ストレス
・寝返りが少ない場合に局所へ持続的に加わる
・マットレスとの摩擦による微小なずれ
寝たきりの場合は褥瘡になるリスクがある。
・骨同士がずれようとする力
・姿勢の非対称による側方ストレス
臥床では圧縮の総量は小さいが、局所圧は発生するという特徴があります。
2.内的負荷(身体内部で生じる負担)
外的負荷が小さくても、内的負荷が高まることで、仰臥位(仰向け)で痛みを訴えることがあります。
筋緊張の持続
・無意識の防御収縮
・体幹安定化筋の軽い持続活動
自律神経の緊張
・交感神経優位状態
・リラックスできない状態
中枢神経の感受性亢進
・痛みに対する過敏化
・「危険予測」による緊張
情動要因
・不安
・痛みへの警戒
臥床で痛みが出る場合、内的負荷の関与を考えることが重要です。
臥床時の負荷は、
外的負荷
→ 重力・圧縮・体圧などの物理的ストレス(比較的少ない)
内的負荷
→ 筋緊張・神経活動・情動反応などの内部ストレス
という二層構造で理解できます。
したがって、「寝具や寝方」だけで説明できないケースがあるのは、外的負荷よりも内的負荷が関与している可能性があるためです。







