硬い関節はなぜ痛みやすいのか?
硬く可動域の少ない、制限されている関節(柔軟性を欠いた関節)は、痛みを感じやすくなる傾向があります。その主な要因を整理しました。
主な要因として
1.滑走性の低下
関節周囲の筋膜、靱帯、関節包が硬くなると、組織間の滑走が妨げられ、動作時に「引っかかり」や「摩擦」が生じやすくなります。これが微細損傷、炎症や痛みを引き起こす原因になる。
2.関節内圧やストレスの偏り
関節の可動域が制限されると、正常な動作パターンが崩れ、特定の関節面に過度な圧力や剪断ストレスが集中します。その結果、軟骨や滑膜、関節包に存在する侵害受容器が刺激され、痛みが生じやすくなります。さらに、こうした状態が持続することで、将来的には関節の摩耗や変形といったリスクも懸念されます。
3.循環障害(虚血)
硬くなった関節やその周囲組織では血流が低下しやすく、代謝産物(例:ブラジキニン、プロスタグランジンなどの発痛物質)が局所に蓄積。これが痛みの増悪要因となる。
4.神経過敏(中枢性感作・末梢神経の興奮)
関節の硬さや可動制限が長期にわたると、侵害受容器の感受性が亢進し、わずかな刺激でも強い痛みを感じるようになる。
線維筋痛症のように、軽微な刺激にも過敏に反応してしまうケースも少なくありません。
5. 運動制御の低下
関節に豊富に存在する感覚受容器からの刺激が減少すると、脳への情報伝達が不十分となり、身体の正確な状態(姿勢など)を把握しにくくなります。その結果、動作の協調性が失われ、適切な運動出力が困難になります。
[生理的過程]
可動域制限・関節の硬さ
↓
動かすと痛いため不使用・不活動
↓
筋力低下・滑走性のさらなる低下
↓
循環障害・痛みの増悪
↓
さらに動かさなくなる
[炎症・虚血・滑走不全の連鎖]
虚血・炎症・組織損傷
↓
筋収縮異常(防御性収縮・持続的緊張)
↓
発痛物質(プロスタグランジン・ブラジキニン等)の停滞
↓
滑走不全(筋膜・筋間の癒着、可動制限)
↓
局所機能の低下・疼痛
【関節運動による効果・メリット】
・栄養供給・老廃物排出の促進
・椎間関節の受容器刺激による運動・知覚・自律神経の調整
・荷重分散・衝撃吸収の向上
・脳脊髄液の還流促進
・神経興奮の抑制、抗炎症、局所循環の改善、線維芽細胞の活性化
滑走不全を改善
筋膜・関節包・筋肉間の滑りが悪くなることで、摩擦や炎症が生じやすくなることを防ぐ。
栄養と排泄
関節運動は滑液の循環を促し、軟骨への栄養供給・老廃物の排出を助ける。
神経の活性化・調整
椎間関節周囲の受容器により、運動制御・感覚調整・自律神経機能が整い調和。
正確な感覚情報が脳に伝わり、脳内で情報を統合されることで、適切な運動出力が得られる。
力の分散
可動域が広がることで、関節への衝撃が分散され、局所的な負担が軽減。
脳脊髄液の循環
特に脊柱の可動性改善は、くも膜下腔のポンプ作用を通じて脳脊髄液の還流を促進。
脳老廃物浄化除去。
生理学的効果
運動によって一時的に交感神経が活性化し、その後に過剰な興奮が鎮まり、副交感神経が優位になることで、過剰な興奮が抑えられ、自律神経のバランスが整う。
結論として
関節機能の回復は、疼痛の軽減と身体機能の向上につながります。
神経、関節、筋肉、血管と組織に栄養供給し、栄養循環代謝が向上するのです。
関節を適切に動かすことで、痛みの悪循環を断ち切ることができ、より良い運動パフォーマンスと生活の質が得られます。







