姿勢を維持するのに重要な錐体外路系

 

姿勢を維持するのに重要な錐体外路系とは?

 

無意識のうちに、姿勢や筋肉の緊張、動きのなめらかさを整えている神経システムです。

私たちは特別に意識しなくても、立ち続けたり、ふらつかずに歩いたり、手足を滑らかに動かしたりしています。

それらを陰で支えているのが、この「自動調整装置」のような存在です。

 

どんな働きをしているのか?

・姿勢を保つ

・バランスをとる

・筋肉の緊張を適切に調整する

・動きをなめらかにする

 

私たちが「よし、姿勢を保とう」と意識しなくても、体は勝手に微調整を続けています。

その主役が錐体外路系です。

 

 

 

どんな経路でできている?

代表的な経路には次のようなものがあります。

・前庭脊髄路(バランス調整)

・網様体脊髄路(姿勢・筋緊張の調整)

・赤核脊髄路(上肢の運動補助)

・視蓋脊髄路(視覚刺激に対する反応)

 

これらは、

・小脳

・脳幹

・大脳基底核

と連携しながら働いています。

つまり、錐体外路系は「単独の線路」ではなく、脳のさまざまな部位と協力するネットワーク型の制御系です。

 

 

 

錐体路との違い

・錐体路:自分の意思で体を動かす(随意運動)

・錐体外路系:無意識に動きを支える(自動制御)

たとえば、「手を上げよう」と決めて動かすのは錐体路の働きです。

一方、そのときに体が倒れないよう、足や体幹の筋肉が無意識に調整されるのは錐体外路系の働きです。

このように、錐体外路系は随意運動を安全かつ安定して成立させる重要な役割を担っています。 

 

 

 

 

【左右の交叉という特徴】

 

神経系には「左右が入れ替わる」という仕組みがあります。

1.錐体路・感覚系の場合

多くの経路は脳幹で左右が交叉します。

・右脳 → 左半身

・左脳 → 右半身

これは一般にもよく知られている仕組みです。

 

 

2.錐体外路系の場合

ここが少し特徴的です。

錐体外路は経路によって交叉の有無が異なります。

・前庭脊髄路・網様体脊髄路

→ 同側優位(同じ側を主に調整)

・赤核脊髄路・視蓋脊髄路

→ 対側支配

そのため臨床的には、

「錐体外路は同側優位の傾向がある」と説明されます。

 

なぜ同側優位が大事なのか?

たとえば、右側に体がぐらっと傾いたとき。

もし毎回「反対側に信号を渡してから戻す」という仕組みだったら、わずかに遅れが出ます。

しかし同側優位の経路があることで、

・その場で

・即座に

・反射的に

バランスを補正できます。

つまり錐体外路系は、転倒を防ぐ即応型の安全装置でもあるのです。

 

 

 

錐体外路系とは

・無意識に姿勢と筋緊張を調整する

・錐体路の動きを支える

・同側優位の特性をもち即時補正が可能

・小脳・脳幹・大脳基底核と連携するネットワーク制御系

意識していないときほど、実はよく働いている神経系です。