椎間板ヘルニア手術の是非について

 

椎間板ヘルニアや変形性疾患における手術の是非について

 

結論から

・強い神経症状がある場合は手術を検討

・それ以外の場合はまず保存療法(手術以外の治療)

が一般的な考え方です。

 

 

手術を強く検討するケース

 

次のような場合には、比較的早期に手術が勧められることがあります。

・足の筋力が明らかに低下している(力が入りにくい、または入らない)

・排尿・排便障害がある(腰の神経が強く圧迫され、排尿や排便のコントロールに影響が出ている可能性がある場合)

・激しい痛みが長期間(目安として数か月)改善しない

・保存療法を行っても改善がみられない

特に、排尿障害や急激な麻痺がみられる場合は、緊急性が高いと考えられます。

 

 

 

多くの場合は、まず保存療法が選択されます。

実際には、

・安静

・薬物療法

・神経ブロック

・運動療法

・生活動作の見直し

などによって改善するケースが多くみられます。

 

 

 

手術のメリット・デメリット

【メリット】

・強い痛みや神経痛が、比較的早期に改善することがある

・麻痺の進行を抑えられる可能性がある

【デメリット】

・社会復帰までに時間を要する場合がある

・再発する可能性がある

・手術部位以外の部位に負担がかかることがある

・すべての痛みが完全に消失するとは限らない

 

 

 

 

 大切なポイント

・画像(MRIなど)でヘルニアが確認されても、痛みの部位や症状と一致しないことがある

・ヘルニアがあっても、無症状の人もいる

そのため、「画像所見」よりも「症状や神経学的所見」を重視することが重要です。

結論として、

強い神経症状がある場合には手術を検討し、それ以外の場合はまず保存療法を行うのが一般的な考え方です。

 

 

 

 

 

補足:馬尾症候群とは

背骨の中にある神経の束(馬尾神経)が強く圧迫されている状態をいいます。

その結果、複数の神経が同時に障害されます。

【主な症状】

・排尿・排便障害(出にくい、または出ない)

・会陰部の感覚低下(いわゆるサドル麻痺)

・両側の下肢症状

【対応】

原則として、緊急手術の対象となります。

放置すると、神経機能の回復が難しくなる可能性があります。

馬尾症候群は、「神経の束」全体に生じる問題です。

膀胱や直腸の機能に関わる重要な神経を含むため、強い圧迫が続くと後遺症が残る可能性があり、時間的猶予が限られることがあります。